2024年4月1日(月)

水牛だより

エアコンをつけなくても快適な4月のはじまりです。以前はエイプリルフールのこの日には、罪のない笑えるウソをつきあって楽しんだものです。いまはその楽しみを知らない人が多いようで、結婚する! とウソの宣言をした高齢の人にたくさんのマジなお祝いが寄せられているのを見て失笑しました。

「水牛のように」を2024年4月1日号に更新しました。
しばらくここに登場していない斎藤真理子さんが「編集は世界を作ること、翻訳は世界を歩くこと」とどこかに書いていたのをときどき思い出します。水牛に世界があるとすれば、それは作ったからではなく、自然に出来上がったものだと思います。出来上がったといっても、確固とした世界ではありません。寄せては返す穏やかな波のように、同じような繰り返しに見えていても、同じ波はありえない。どこかにたどりつけるかもしれないし、どこにもたどりつけないかもしれない、そんな揺れる世界なら繰り返す意味があるのかもしれません。

それではまた来月も無事に更新できますように!(八巻美恵)