2025年10月1日(水)

水牛だより

雨が降り、気温も20度を下回っている東京ですが、体感はまだ夏のまま、そろそろ秋かなという感覚です。お彼岸もすぎて、日の入りの時間は刻々とはやくなっているというのに。

「水牛のように」を2025年10月1日号に更新しました。
それでも秋はあやまたず近づいています。そのせいなのかどうか、今月は長い原稿が多いですね。もうすぐ秋の夜長にお楽しみください。
ルーマニアのマリン・ソレスク原作による佐々木蔵之介ひとり芝居『ヨナ-Jonah』が明日から上演されます。パンフレットの解説をイリナ・グリゴレさんが書いています。「見る前とか見たあとのタイミングで読んで、どちらにも魅力伝えたいと思った」とのこと。
ギョウジャニンニクをはじめて食べたのは、もう40年は前のことです。札幌から東京に来た詩人の江原光太さんから醤油漬けの瓶詰めをいただいたのでした。密封されているはずの瓶からそこはかとなくただようニラのような香り。いまニラを小さく切って醤油につけたりしますが、似ているけれど格段に強い香りで、食べると元気になるのでした。江原さんは詩の朗読を精力的におこなっていて、「朝鮮よ、泣くな」ではじまる小熊秀雄の「長長秋夜」は忘れられないものです。何度もくりかえされる「トクタラ、トクタラ」を青空文庫でぜひ。

それではまた来月に!(八巻美恵)