シンゴジラやらシンウルトラマンも現れてシンハマオカに集う一月
二俣の売家に二股かけられてくんずほぐれつ逃げる二ん月
字あまりに臆することなく憤るその溜息でくもる三月
夜さり夜さり酒酌み交わす友もなく一人ふたりと消えゆく四月
つまの吐くね息のなかにわが眠りしずめんとして縮こまる五月
耳の中の小さな石の不始末を眩暈と呼んで鬱ぐ六月
物を見てえがくすなわち手描きへの自負と偏見煽る七月
AIにたくすすなわち手描きへの自負と偏見くたす八月
さめぎわに消残る夢のあさくして自問自答に悶える九月
老いてなおここよりほかの場所数多夢に浮かべてさやぐ十月
絵日記は汚れやすくてぽちぽちと杳いメールを打つ十一月
子煩悩な親ほど怒りやすしとも ラク書き消して回る十二月