どうよう(2022.10.)

小沼純一

たよりのないのは
って いうじゃない
あってなくたって
こえきけなくたって
やりとりなくても
おもわなくても

たよりないのは
きがつくから
きになるから
きづかうから

たよりのないのは
って いうじゃない
はたらいてても
あそんでても
やすんでても
ねむってても

たよりないのは
きづくから
いないって
いなくなってるって

たよりくる
もうないよ 
こないよ 

たよってくる
もうないよ
もういないよ

たより
よこしたの
だあれ

あるいて あ
いきして い
うたって う
えみかえして え
おんぶして お
てんで てんで

あさって あ
いきんで い
うわごとで う
えずいて え
おえつして お
てんで てんで

あきらめて あ
いぶかしんで い
うみかえて う
えらびかねて え
おわらせたくて お
てんで てんで
てん

にてるかな
あのことこのこ
なにがどうしてにてるかな

にてるかな
めはなくちびる
どうてあし
みえはしないが
ぞうきもか

にてるかな
いしがおちたらとびのいて
ねこにてをふり
とかげにやなかお

にてるかな
たくさんたべて
みずすこし
すぐにねむって
かみのけくるくる

にてるかな
にてるかな
にてたからって
なんだろな

あれはひととききのまよい
ひとつのきせつついやして
みどりのかおりぜんしんに
みきつるえだにまみれつつ
ぼろぼろとかわをおとして

あれはひとときのまよい
しばらくつづいたもりのこい
あちらこちらにちょうまうように
うごかないきうごかないきぎ
たわむれて

あれはひととさまように
あこがれてはたされず
あしふみいれたたびさきの
まよいまぎれたひのことか

あれはひとときさまよった
わかかりしひのはくちゅうむ
にのうでにはえたわかめは
いちどだけ
なぜはちにうえかえなくて

やみやみなやみ
やみあがり

やみやみくやみ
ふだめくり

やみやみこやみ
あめあがり

やみやみはやみ
てりむくり

やみやみむやみ
まちめぐり

やみやみいやみ
さかあがり

うやむやごのみ
いちぬけた