深夜に電話をかける習慣
いつなくしたんだろ
たあいないなんでもないこと
いくらもあった
ゆたかだった
深夜に電話をかけるともだち
いつなくしたんだろ
おなじものもっていた
もってたんじゃない
ないものをわけあって
深夜に電話をかける恋人
いつなくしたんだろ
たくさんあったあてさきが
すっかりきえて
おとなになるとはそんなこと
深夜電話をおびえてる
いつからこんなになったかな
どなたこなたにあちらさま
かかってくるのは
ふきつなしらせあからさま
深夜電話をさけている
さけをのんでもさけばなくてもさけている
あいてたあいだだんだんつまり
あいてだんだんふえてくる
いつかこちらがかけるばん
いつかこちらがかけられて
☆
かいたはがきがまだここに
とうかんしないといつまでも
eメールだと
すぐおくってしまうから
うえからしたまで
字のおおきさがかわってく
行のあいだもちぢまって
くぎりのあいさつは
おもてにはみだし
差出人のなのわきに
かいた字がひとごとをつげる
みなれてるはずなのに
すこしよそいき
もうかいたきも
きおくもうすく
はがきってなまなまし
かったんだ
うすっぺらいかみなのに
あるとそこに
☆
きのうはおなかがへんだった
これまでになかったへんさ
けさはしんぞうどきどきして
めがぐんるぐんるまわってた
おじいちゃんやらかすんだ
このまえはかきのきのしたでころんで
きょうはげんかんでめまい
あんたがでかけたときばっか
ひとがいないと
たよりない
☆
やどかりて
かいがらぬいで
あめふらし
さかなでしながら
いかめしい
たこあしまぎれ
いそぎんちゃく
おさかなさかだち
すくうてもなく
すくい
なし
すくう
ぬし
☆
あくにん
なりたい
いいひと
いいひとっぽく
ふるまうひと
うんざりさ
あくにんになりきれなくても
せめてせめて
ふりしたい
あくにんの
あくにん
なりたい
いいことなんて
あきあきさ
よこにくちをひらいて
いーっとやりたい
せめて
いいひとってみられぬよに