どうよう(2024.01)

小沼純一

深夜に電話をかける習慣
いつなくしたんだろ

たあいないなんでもないこと
いくらもあった
ゆたかだった

深夜に電話をかけるともだち
いつなくしたんだろ

おなじものもっていた
もってたんじゃない
ないものをわけあって

深夜に電話をかける恋人
いつなくしたんだろ

たくさんあったあてさきが
すっかりきえて
おとなになるとはそんなこと

深夜電話をおびえてる
いつからこんなになったかな

どなたこなたにあちらさま
かかってくるのは
ふきつなしらせあからさま

深夜電話をさけている
さけをのんでもさけばなくてもさけている

あいてたあいだだんだんつまり
あいてだんだんふえてくる
いつかこちらがかけるばん
いつかこちらがかけられて

かいたはがきがまだここに
とうかんしないといつまでも
eメールだと
すぐおくってしまうから

うえからしたまで
字のおおきさがかわってく
行のあいだもちぢまって
くぎりのあいさつは
おもてにはみだし
差出人のなのわきに

かいた字がひとごとをつげる
みなれてるはずなのに
すこしよそいき
もうかいたきも
きおくもうすく

はがきってなまなまし
かったんだ
うすっぺらいかみなのに
あるとそこに

きのうはおなかがへんだった
これまでになかったへんさ
けさはしんぞうどきどきして
めがぐんるぐんるまわってた

おじいちゃんやらかすんだ
このまえはかきのきのしたでころんで
きょうはげんかんでめまい
あんたがでかけたときばっか

ひとがいないと
たよりない

やどかりて
かいがらぬいで
あめふらし
さかなでしながら
いかめしい
たこあしまぎれ
いそぎんちゃく
おさかなさかだち
すくうてもなく
すくい
なし
すくう
ぬし

あくにん
なりたい
いいひと
いいひとっぽく
ふるまうひと
うんざりさ
あくにんになりきれなくても
せめてせめて
ふりしたい
あくにんの

あくにん
なりたい
いいことなんて
あきあきさ
よこにくちをひらいて
いーっとやりたい
せめて
いいひとってみられぬよに