活発な雨雲あんだー不安

芦川和樹

フローラが歩幅を
正確に測る。路上には黄いろい
黄色、き、イエロー
点字ブロックが延びて、フローラ
フローレンスの手先には
雷、か、いなづま、みなりが
残る。絡んでほどけないのよ
あの辺りの闇があすか
いつかの雨雲(徒歩)だろうね
切り絵は
ラ、いいえラじゃない
正月を見据えて
キャリー、荷物のことが
フローレンスの頭を
(翌日の台風を知らせる)よ、ぎるのです
フローラの傘は
おぼつかない足どりで
左頬に吹きつける風
を折りたたむ、たたまなきゃ
歩けないじゃないか
肩に
肩の柵に
凭れて、もた、れて
塗り絵をもとにした
スモークの完成もうすぐ、を鼓舞する
弓矢で
貫ける心臓がたくさんあーる
フローラの雷
すこしだけ走ってみる雨具、雨雲
すぐに止まる
すぐに思いだす
すぐにクリームパンを食べたい
おへそを渡さない
歩幅をそろえない
足跡につばを吐く
うそできるだけ汚さない
固定する(フローレンスの金槌、づち)
固定したものを疑う
ヘリンボーン。ヘリンボーンと

いったところでいくつかの冠が割れる、錆びていたとしても。雷は当たる。塩振る。塩は「冠が割れたね」という。