アジアのごはん(64)台所を放射能除去装置に

森下ヒバリ

前回のタイ滞在中に、おいしいパクチー料理を覚えてきた。パクチーはタイ語名で、中国名は香菜(シャンツァイ)、メキシコではシラントロ、英名はコリアンダーの葉っぱである。さすがのパクチーも最近は知名度が上がって来て、耳にするだけでなく口にする人もずい分増えたのではないかと思う。あのちょっとクセのある匂いの葉っぱですよ、といえばたいがいの人が「ああ‥」という反応をする。一昔前のように、毛嫌いされることもなくなってきた。

しかし、自分でパクチーを買ってきたり、種をまいて育てたりしている人は、まだ少数であろう。たいがい、タイ料理屋、ベトナム料理屋などのアジア料理店で食べた、中国料理屋で食べた、現地に旅行して食べたという人がほとんどと思われる。パクチーを買ってきても、どう使っていいか分からない人も多いと思うので、今回はパクチーの使い方をいくつか紹介しよう。

今回のタイトルが、「宇宙戦艦ヤマト」みたいなのは、実はそのパクチーには抗菌作用と共に強力な重金属排出作用があるから。タイに限らず、アジアの国々では、パクチーはとても愛されている野菜だ。個性的な味と香りが好まれ、風味野菜、味のアクセントとして用いられる。それだけでなく、日本で刺身にワサビや生姜が添えられるのと同じく、毒消しの強力な作用も伝統的によく知られている。Oリングテストでもパクチーは重金属を体から排出することが確かめられている。どこから出るのかというと、食べたら2時間後ぐらいからおしっこに重金属が検出されるというからすごい。

人間の体の電磁波共鳴現象を使ってOリングテストを開発した故大村恵昭医学博士の著書によると、心臓スペクト検査の実験を自分で行って、そのときに使った放射性タリウムのせいで体に水銀がたまってしまい、困っていたときにたまたまベトナム料理を食べたところ、翌日に急激に体内の水銀量が下がった。その時食べたパクチーの働きかもと思い、チェックしてみるとパクチーは、水銀・アスベスト・鉛・ヒ素などの有害金属の排出を促すことが分かったという。(故大村博士のOリングテスト入門と健康に役立つ著書『顔を見れば病気がわかる』は分かりやすくておすすめだが、なんとかならないのかしらん、この占いみたいなタイトル‥)

ご存じのように、セシウムもストロンチウムも重金属である。どういう仕組みでパクチーが重金属を排出させるのかわからないが、Oリングでチェックするとパクチーは確かに効果があるのである。パクチーを食べることで、身体に取り込んでしまった放射性物質をすばやく排出することができる可能性は高い。それは日常的な予防法として、内部被ばくの危険性を少なくできるということだ。

毎日の食事のローテーションに、パクチーを組み込もう。さらに、ニガウリ、豆乳ヨーグルトなど免疫を上げ、毒出し作用のある食材をいろいろ取り入れることで、あなたやあなたの家族の健康を支えよう。汚染された食べ物を極力避けることと合わせれば、あなたの台所は「放射能除去装置」に近づいていける、かもしれない。

戦争好きの首相が「完全にコントロール下」、と世界中に言った原発事故はまったく収束しておらず、放射性物質が放出され続けている。2011年3月に何度も大量に降り注いで土壌に残されたままの放射性物質は、ほとんど減ることなく存在している。それらは乾燥したり、強風にあおられたりすることによって何度でも舞いあがる。

一番気をつけなくてはならないのは短い時間の外部被ばくよりも、口から吸いこむホットパーティクルだということが、分かってきている。ホットパーティクルは放射性pm2.5とでもよぶべき性質と大きさを持っている。原発事故で放出されたセシウム・プルトニウムなどの人工核種は、鉄や鉛などのほかの重金属と結合して水にも溶けない、球形の微粒子となって舞っているのである。これを取り込んでしまうと、身体に留まっている間中、放射線を出し続け、まわりの細胞を傷つけ続ける。

とりあえずホットパーティクル対策として、関東、東北など人工核種が大量に降った地域にお住まいの方は、風の強い日にはN95マスクをつけてほしい。なるべく外出しない方がいいんだけど。そして、セシウムなどを吸着する鉱石ゼオライトの粉末をじょうろ一杯の水に小さじ一杯ぐらい溶かして、その水を庭やベランダ、雨どい周辺、家の回りなどに週一回ぐらい撒くことをおすすめする。

セシウムを吸着したゼオライトを万が一体に取り込んだとしても、ゼオライトは身体には蓄積されずにセシウムを抱いたまま排出されるので心配ない。これで自宅周辺のホットパーティクルの危険度をかなり下げることができる。ゼオライト粉末はネットで簡単に入手できます。また、米とぎ汁で米乳酸菌を作っている人は、うすめて撒いても効果があると思われる。乳酸菌は放射性物質を食べてしまうという話もあるが‥。

*パクチーのゴマ油和え
材料:パクチー好きなだけ。スーパーなどで売っている袋入りのものなら最低1袋。おいしいゴマ油。出来るだけ低温しぼりのもの。ナムプラーもしくは醤油、もしくはしょうゆ麹。このみでトウガラシか豆板醤、こしょう。ネギ少々。
パクチーは洗って水を切る。食べやすい長さにざく切り。根っこはのぞく。2センチぐらいかな。ネギは細切りに。刻んだパクチーとネギを合わせ、ゴマ油でさっと和える。味付けは好きな調味料で。ヒバリはトウガラシ入りのピリ辛自家製しょうゆ麹を少々、コショウを少し。ネギはなくても可。
ものすごく簡単ですが、とてもおいしい。酒のつまみにもぴったり。これを冷奴にのせるともう、最高。ただし、生のパクチーは食べすぎるとけっこう胃に来るので、胃の弱い人はほどほどに。パクチーは火を通せば胃には問題ありません。

この料理は、バンコクのBTSプロムポン駅近くの、スクムビット通りソイ41を少し入って右に行ったところにある「東来順」という古い中華料理屋の「ヤム・パクチー」をアレンジしたものである。この店のヤム・パクチー、食べに行く価値あります。ほかの料理は、羊肉の鉄板焼きとか手打ち麺が人気らしい。麻婆豆腐は今ひとつ。

パクチーは、生で食べるなら焼肉の付け合せ、お刺身の付け合せ、冷奴の薬味、納豆の薬味、春巻き、卵焼きの薬味などに合う。サルサなどメキシコ料理にもよく使われる。火を通すならタイのスープの薬味、中華風スープの薬味、ラーメンの薬味として仕上げにさっと加える。タイ風卵焼きの中に混ぜ込んで焼いても。近所に売っていない人、好きでたくさん食べたい人は簡単に育てられるので、プランターや畑に種を蒔いてみてはいかが。

パクチー以外にも重金属排出効果のある野菜がある。それは、ニガウリである。ニガウリはゴーヤチャンプルーが定番だが、生で食べるほうが毒出し効果は高い。薄くスライスして、しょうゆをかけたり、酢の物にしてどうぞ。ゴーヤの季節には、少しずつしょっちゅう食べたい。好きな人はゴーヤジュースもいいかも。夏の出盛りの時期にピクルスにするのもいいかも。

このふたつには及ばないものの、赤いりんご、バナナ、赤いグレープフルーツ、ドラゴンフルーツなどもいいようだ。もちろん、農薬や汚染のないもので。パクチーもニガウリも子供たちは苦手だろうから、子供には豆乳ヨーグルトにバナナやリンゴ、はちみつを加えてブレンダーでかき回し豆乳ヨーグルトラッシーにしてみては。

とにかく、待っていても、放射能除去装置は届かないから、自分でなんとかしなくては。この間も放射性廃棄物の搬入の権限を地方自治体から環境庁にうつす法案が衆議院をこっそり通過した。これで、いつのまにか基準が8000㏃/kgに水増しされたことと合わせて、放射性物質がさらに全国に拡散される可能性大になった。福島周辺だけでなく日本全国均等に核汚染させたいのか、政府は。国民に放射能をばらまき、戦争を出来る国にして、一体どこに向かおうとしている?

豆乳ヨーグルトについては「水牛のように2013/06」を参照してください。