十月、台風

仲宗根浩

10月はたそがれの国、という小説を初めて読んだのは高校生のころだったか。今では本なぞ全然読まなくなる。近視の老眼、その上に左右視力が異なると遠近両用眼鏡にしても本の活字を読む場合は眼鏡をはずしたほうが楽になり、そのまま長時間となると疲れてどうしようもない。そんな加齢はついに肩にきた。右腕を曲げたままの状態で腕をを挙げようとすると肩に痛みが出て、これが四十肩、齢五十過ぎれば五十肩かと。今まで右肘、左ひざに痛みを感じたときは無理な使い方という原因がはっきりしていたが今回は突然にやってきた。痛みを感じつつ生活をしていると、痛むところを庇うためか、他の関節やらに軽い違和感を感じ、元の肩はだんだんと痛みがやわらいでいき、分散され仕事、日常でも何事もなくなる。

たそがれたい十月なのに選挙やヘリコプター炎上、ある芸人さんが言った昭和のプレロスのような分裂新党などなどかまびすくなる日々。九月の台風の長い強風域で少しは涼しくなるかと思ったが甘い考えで暑さは続き十月の台風21号ランちゃんが過ぎたあとやっと涼むことができ冷房要らずとなったと思ったら22号サオラーちゃんが三年ぶりの直撃でバスは運休、久々の台風の目に入った静かな二時間余りを過ごし、これは仕事が三連休になるかと思い、夕方から家飲み満々の心積もりでいたが勢力今ひとつ足りずお仕事通常稼動でいやいや仕事にいく。強い台風だったらもっと潮のにおいがするから。

以前は朝の七時半に聞こえていた基地から聞こえるラッパの音が最近二分くらい遅れて聞こえてくる。