暑い九月、沖縄観光をした。

仲宗根浩

暑い!
確かに秋は来た。でも一週間足らずで入道雲が出た。颱風が夏を持ってきたのか。夏は少し休んだだけでまだ続いていた。

そんな中、法事のため九州から来た姉の一家を観光へと連れていく。沖縄案内の本、雑誌などで紹介されているとこばかりなので以前は知る人ぞ知るお店も駐車場は「わ」ナンバーのレンタカーばかり。お昼どきは八人連れとなるとけっこう店を探すのも苦労する。

以前、奥武島の近くにそば屋があったのを思い出し行ってみた。そば屋はあったがいったん島に渡る。島といっても橋ですぐ渡れる小さい島。昔は漁港と魚屋、てんぷらが売っている売店だけだったが食堂ができていた。試しに入ってみる。メニューは魚のバター焼き、いかの墨汁、煮付け、刺身などなど。沖縄によくある海鮮定食メニューで一つのお膳
に五品くらい。値段は千円から二千円のあいだ。いかの墨汁なんてずいぶん食べてなかったけど(まえの日、いか墨汁を食べたことを忘れた朝、トイレで真っ黒な便が出たときはびっくりするぞ〜)、小さい子がいたのでいっしょに食べられるものをとおもい、無難な魚のフライを注文する。相変わらずご飯の量が多い。他のバター焼きもちょこっと摘まみつつ、お腹を満たし、今度は那覇新都心のブランドものばかり揃ったDFS、免税売店へ。ここは購入したものはすぐ受け取れるわけでは無く、沖縄を離れるとき空港内で受け取る仕組みになっている。沖縄発の飛行機チケットを持っている人しか買い物はできない。興味のないわたしはフロア一角のゆったりしたソファーでごろごろするだけ。帰宅途中、ブルーシールのアイスクリーム屋さんに寄り、久しぶりの観光が終わる。

九州から来た一家は帰るので空港まで送る。駐車場は全部満車の表示。そんな中一台出ていく車が見えたのですかさず入り、停める場所を確保し空港の中に入ると大混雑している。航空会社のコンピュータ・システムがダウンとのことで一家は荷物をあずけることもできず、飛行機がどれくらい遅れるかもわからぬままただ待つしかない。こっちは空港にいても仕方ないので見捨てて帰る。飛行機は四時間遅れだったらしい。

次の週はブラジルから神奈川に移ってきた従兄の子が初めて沖縄に来た。また観光。平和の礎に行きたい、というので連れていった。暑い。公園には陰がない。礎に刻まれた彼のおばあさんの兄さんはサイパンで亡くなっている。名前を見つけ教えてあげる。車で移動中、彼の携帯電話が鳴る。話す言葉はポルトガル語だったり日本語だったりする。沖縄の言葉は全然わからない、日本に来て十年になるのでポルトガル語の読み書きもできない、と言っていた。沖縄そばを食べ、北谷に寄りみやげ物の下見をする。泡盛の値段の高いこと高いこと。近所の酒屋の一升瓶の値段で売っているものある。

翌日、「美ら海水族館」へ五十八号線を北上する。子供の頃に行ったタイガービーチ、瀬良垣ビーチ、伊武部ビーチは閉鎖されていた。瀬良垣ビーチは重機が入り砂を入れているのか、昔の面影はない。自然のビーチはどんどん無くなり、砂浜ではないところに砂が敷き詰められ人工のビーチがどんどん造られていく。それでも彼は海のきれいさに感激している。水族館に着くとまたレンタカーでいっぱいになっている。水族館の中も人が多い。巨大水槽より圧倒された。

観光地めぐりは終わり、まだ涼しくなる気配がない暑い九月のなか、運動会のシーズンが始まった。