DJ-Kにはなれそうにない

三橋圭介

緊急事態宣言は5回目くらいだろうか。もう慣れっこになったという人もいるのかもしれない。ただ大学の状況は緊急事態宣言によってさまざまな対応がある。音楽系は緊急事態宣言下でもレッスンなど実技的なものは十分な配慮をした上で対面でやっていたりする。桜美林大学は座学だけなので、週3日間は自宅でオンラインをやり、玉川大学はひとつ実技科目があるので必ず大学に行かなければならない。まず対面(場合によってはオンラインと併用のときもある)からはじまるが、巨大な教室に12人くらいでソルフェージュをやっている。特に大きな問題はなく、終わると必ず使った机などの消毒を学生たちがやって終わる。次に完全オンラインの授業を小さな教室でひとり寂しくやり、そして2時間あいて15回の内5回対面という卒演ゼミがある(対面でないときは帰宅し、家でオンライン)。

オンラインの場合、自宅で参加する学生もいるし、そのあと対面レッスンなどがある学生は、そのために学校に来てオンライン授業を受けたりしている。このとき学生は決まった教室で受けているわけではなく、学校のいろいろなところからパソコンで参加しているようだ。その場所で話ができるのか、できないのかは聞いてみないとわからないし、多人数になるとそれさえ聞くことができない。ときどき別の学生の声が聞こえてくることもあるが、対面でやっていた教室に別の授業の学生がオンライン授業を受けていたりもする。

私はオンラインでもいわゆる「顔出し」は強要していない(これはある先生によると個人情報でもあるらしく、強要はできないらしい)。そうするとあえて顔出ししようとする学生はいない(多いものに巻かれろ的なやつだろう)。するとどうなるか。つまりラジオのように沈黙を恐れてしゃべり続け、音楽を流すときだけおしゃべりが止むことになる(流しながらしゃべることもあるが)。目の前に人がいれば多少の沈黙は許容されるが、ラジオなら話し続けなければという強制力が働く。また、対面なら「どう思う?」と聞くとすぐに答えてくれるが、オンラインだと沈黙する生徒もいる。これは特に多人数のクラスに言えるが、そうなるとしゃべり続けるしかない。まあ、オンラインにつないでいるだけでサボっている人もいるだろうけど(疑わしきは罰せずとか性善説とかが基本になるのだろう)。緊急事態宣言の延長によってこの状況はひとまず6月20日まで続くだろう。でもDJ-Kにはなれそうにない。