あけましておめでとうございます。
昨年は、ロシアのウクライナ侵攻に始まり、明るい話題はなかなかなかった。僕自身11月の終わりにとうとうコロナに感染してしまった。熱もそれほど上がらなかったのだが、のどの痛さと咳が一か月も続く。痰も絡んで息苦しい。コロナ中はちょうどサッカーのワールドカップが始まった時期だったので、夜中まで試合を見ていた。
今までワールドカップの時期はちょうどパレスチナやらイラクやらヨルダンにいたので、カフェで現地の人たちと盛り上がって楽しかったものだ。いつのころからか、子どもたちがメッシ、メッシと騒ぎ出したので、気が付くと僕もメッシを追っかけるようになっていた。僕はイラクの癌の子どもたちの支援に長くかかわっていた。病院にはクルドのこどもやアラブのこども、シリアからも難民の患者がいたが、みな、メッシが活躍すると大喜びだった。だから、今回のワールドカップでメッシが大活躍だったのは、サッカーそのものが美しいだけでなく、がんの子どもたちが喜んでいるのだろうという姿を想像すると嬉しくてたまらないという感じだった。アルゼンチンの優勝は、一番うれしいニュースだった!
カタールというアラブで初めてのワールドカップにはいろいろとケチが着いた。まず、30兆円を超える費用がかかっているらしい。東京オリンピックでは1.9兆円程度らしいが、それでも最初の予算は7300臆円なので2倍は超えてしまった。それに比べてもカタール政府は桁外れのお金を使っている。誘致のためにばらまいたわいろもいろいろ問題になっている。
スタジアムの建設工事のために、外国人労働者が過酷な労働を強いられ6000人以上がなくなったらしい。そして問題なのは、性的マイノリティを認めないという人権侵害である。ドイツの選手たちは、日本との対戦前の写真撮影では、口で手をふさいで意思表示を封じられたとFIFAに抗議をした。これは欧州のイングランド、ウェールズ、ベルギー、オランダ、デンマーク、ドイツ、スイスのサッカー連盟が、カタールの性的マイノリティ差別に抗議する意味を込めて、one love と書いた腕章をつけてプレイする予定だったのを、FIFAがイエローカードの対象になるとして阻止したことへの抗議であった。
カタールという国は人口260万人ほどで、うち13%しかカタール人がおらず残りは外国人らしいから如何にうまく外国人を使いこなしているか。同じアラブでも僕が暮らしてきた国とはずいぶん趣が違うようだ。メッシやネイマール、エムバペや、モロッコのハキームといったワールドカップで活躍した選手たちは、パリ・サンジェルマンというフランスのクラブチームに所属しているのだが、そのクラブのオーナーはカタール政府なのだ。サッカービジネスではまさに頂上を抑えている。今回のワールドカップでいろいろ問題は指摘されたが、やり遂げたことによりカタールには新しい景色が見える。人権問題も少しずつ改善されていくのだろう。
ただ、アラブだから、イスラムだからという問題よりもむしろ、巨大化したスポーツビジネスの構造的な問題も大きいと思う。日本だってオリンピックは問題だらけ。汚職の問題は後を絶たない。マイノリティにやさしいくにかというと決してそうではないし。経済も衰退してますます世界に取り残されていきそうだ。
僕の個人的な課題は大掃除を年末にするはずであったが、気合を入れてみたもののすぐ飽きてしまった。結局、メッシ人形(正確にはメッシの顔をした赤ベコ)で遊んでしまった。
https://youtu.be/E3890zd-poA
メッシのせいで大掃除が小掃除になってしまったがまあいいだろう。
希望にあふれた年になってほしいものだ。