小石の星の夢 覚書

璃葉

見知らぬ女性が丸椅子から立ち上がり、黒い布を広げ、何かをばらまいている。
金平糖をぶちまけたみたいに、赤と青の粒がざあざあ散らばる。

最近、頻繁にこの夢を見る。
夢と夢の繋ぎに見る時もあれば、破片のように、違う夢にくっついているときもあって、なかなかしつこい。
女性がばらまいているのは小さな石だった。
青い石は温度が高く、赤い石は極めて冷たいのだ、と、女性は手の動きを止めずに教えてくれた。
日によってわけのわからない言葉で話しかけてきたり、私の姉と並んで酒を飲み、無視される時もあったが、石の温度の説明だけは欠かせないようだった。
小石は星のように煌々と輝きだした。触ってみると、道端に落ちている石ころの感触で、その平凡さに少しがっかりする。
温度の違いも解らなくて、尚更がっかりする。
小石を一直線に並べてみたり、サソリの模様をつくって遊んだ。
女は私の横で、酒を飲みながら唄って踊り狂っている。後ろには山脈が浮き出てきた。

列車と風の音で目を覚ますと、まだ夜明け前。
部屋は黒に覆われたまま、石は無く。

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