008 鳥のために

藤井貞和

山崎さんの言う、「本とは、生まれる魂の食物。
詩の祈り。 闇のなかの微かな光。 渇きを癒す水。」

はいいろの空の年、内戦が、山崎佳代子の詩集をあらわす。
大泉さんは言葉の紡ぎ手たちの一人になって、

善き手と手とに結ばれる。 旅の始まりでした。
一九九五年、ベオグラードで、詩集『鳥のために』が、

旅の終わりよ どこへ。 鳥の魂は なかまたちの、
書物になって、守り続けることでしょう。

 

(守り続けてください、鳥の魂よ。二〇二二年、菊地信義に続いて、大泉史世の訃報に接します。内戦は一九九一年。)