218 石の索引

藤井貞和

漂う
石のイコン 暗黒の
投石機
石で
狙うあなた 賢者の
石が川を遡る あなたの中に尽きることなく
石が生じるのを
ぼくは聞く ルーネ文字が刻まれた
石 その
石は 捕獲するものや捕獲されるものたちの
皮を赤くなるまで剥ぐ
舗石の 数知れない影の中
原石にあらがって
段石――レンブラント
岩石の
机の上で 見る力を持った
石 甲虫たちの背後への
落石 ぼくの苦痛の

(パウル・ツェラン『雪の区域(パート)』〈飯吉光夫訳〉を利用しています。というか、そのままです。ごめんなさい。)