Ash from former lives.
灰の前生から。
Ash raises hands, all material phenomena are such.
灰の手を上げる、物象すべてこれ。
Ash, be ashed away.
灰、敗走せよ。
Ash is to be adjudged.
灰を裁け。
Ash’s now.
灰の今。
Ash’s birsh and death.
灰の生滅を。
Ash, I accuse you.
灰よ、問う。
Ash, of the ashed act.
灰の背信行為を。
Ash’s body all over it.
灰の全身に。
Ash, bits of paper.
灰、紙片。
Ash, tales.
灰、物語。
Ash, after many a years.
灰、歳月ののち。
Ash takes form.
灰はかたちを。
Ash’s own self whereof.
灰のみずから。
Ash-bound axial translation, it is.
灰への平行移動である。
Ash is no other than naming for the genuine itself.
灰はじねん(自然)そのものの云いにほかならず。
Ash’beingness is that.
灰のあることは。
Ash just being.
灰のただあること。
Ash having “being”.
灰は「ある」こと。
Of ash, it’s not even birth or death.
灰の、それは生滅ですらなく。
Ash’s birthlessness and ash’s deathlessness.
灰の不生であり、灰の不滅である。
(原作「灰」〈部分、『ピューリファイ!』所収〉を、複数のバージョンののち、「ある」「灰、敗走せよ」「灰、背信行為を」「不生不滅」などに腐心して、かたちがととのえられていった。じねん(自然)はgenuin(じぇぬいん)をそのまま外来語として使った語ではないかと「気づいて」、名詞化してある。安藤昌益は「自(ひとり)然(する)」と書いている。敗走、背信は、日本語の発音を生かしてbe ashed away、of the ashed actとし、不生不滅をbirthlessness、deathlessnessとすることによって、完成に近づいた。多言語社会、インドでの朗読のために、松代尚子さんの翻訳。『ミて42』(2002・12・1)による。こんな試みが『ミて』に数篇、あることを思い出す。)