124アカバナー(9)軽石

藤井貞和

軽い詩を浮かべよう、
軽い詩で、
詩あわせになる?
わた詩のことを、
  詩ってね、きっとだよ、
なに詩にきたの?
ふ詩あわせ、
もう詩にたいよ、
  詩っぱいばかりでさ、
かな詩いね。

こうふくじさん、
  詩ろい屋根、
やくしじさん、
詩かくい屋根、
とうだいじさん、
詩ま詩まの屋根、
さいだいじさん、
詩んごんりっ詩ゅう、
ああ、屋根職人が、
詩のかたちで葺く、
さいごの藁で。

(世もすえの、軽石をならべて、きょうも行く、詩人〈しにん〉たち。「あい詩てる?」「あい詩てない?」「あい詩てる?」「あい詩てない?」―石占〈い詩うら〉をくりかえ詩ているあいだに、きょうも詩めきりです。)