2023年10月1日(日)

水牛だより

暑いのはきっと明日までね、と言い続けて10月を迎えてしまいました、いやはや。
いつもいく近くのスーパーマーケットと隣家との境にある植え込みに、カラスウリの蔓がからみついていて、レースをまとったような白い花が夕方にいくつも咲いているのを見つけたのは、この夏のささやかな収穫です。赤い実がなるか、黄色いのがなるか、これからの楽しみです。タネがめずらしいかたちらしいので、もしも実ったら、そっとひとついただこう。

「水牛のように」を2023年10月1日号に更新しました。
イリナ・グリゴレさんの「蜘蛛を頭に乗せる日」は、これまでのエッセイとは違って、不思議な短編小説の趣です。次はどんなのが送られて来るのでしょうか。管啓次郎さんの「図書館日記」は今回が最終回です。12回で完結です。でも、次号からまた趣向を考えます、ということなので、また楽しみがふえます。管さんの軽々としたフットワークはいつも驚きですが、それはちゃんと詩に反映されていると感じます。そして、さとうまきさん「やっぱりバスラ」のサブリーン。彼女が亡くなったあと、東京で小さな追悼会があり、参加したことを思い出します。遺言によってさとうさんに託されたサブリーンの遺品も見せてもらいました。絵を別にすると、遺品はそのとき彼女が身につけていたほんのわずかのもので、一枚のビニール袋にすべて納まってしまうものでしたが、死んだあとはさとうさんとともに生きるのだというサブリーンの強い意志がしっかりと伝わってきたのでした。

それでは、また来月に!(八巻美恵)