東京は気温の低い雨の日です。この雨で、明日からの日々はさらに美しくなるのかもしれません。
「水牛のように」を2024年5月1日号に更新しました。
さとうまきさんの「たまには福島」に「恩返し」ということばが出てきますが、これは日本の文化を強く支えている思想だと思っています。ちょっと気をつけてみれば、日常にあふれている思想と実践であり、しかも資本主義経済からは逸脱している!
今月は水牛とかかわりの深い3冊の新しい本を紹介します。
アサノタカオさんの『随筆集 小さな声の島』
「サウダージ・ブックスの編集人である著者が雑誌、リトルプレス、ウェブマガジンに寄稿したエッセイを集成し、未発表の台湾紀行も収録。家族の歴史について、移動と定住について、小さな声を守る詩のことばについて、本のかたわらで考える随筆集。」
下窪俊哉「『アフリカ』を続けて」Vol.0
下窪さんは「水牛のように」に連載中の「『アフリカ』を続けて」をみずから一冊にまとめるらしく、その0号のちいさな冊子を送ってもらいました。100円という値段がついていますが、販売はしていないようなので、読みたければアフリカキカクのcontactから尋ねてみてください。
藤本和子『ペルーからきた私の娘』
1984年に出版されたものの新装版です。なんと40年ぶり! 収録されているいくつかのエッセイは、当時の水牛通信に掲載されたもので、懐かしさはあるものの、まったく古さを感じないのはさすがに藤本さんです。榎本空さんの解説もすばらしい。1984年にはまだ生まれていなかった榎本さんにバトンが渡ったのはとてもうれしい出来事です。
それではまた来月も無事に更新できますように!(八巻美恵)