エアコンなしで、家の中も外も快適な気候が続いています。11月だというのに、昼間の室内なら半袖のTシャツでまだまだだいじょうぶ。なんとなく落ち着かないのはこの気候のせいでしょうか。
「水牛のように」を2023年11月1日号に更新しました。
福島亮さんが書いているように、ようやく「水牛通信」全巻をPDFで公開しました。すべては福島さんの努力によるものです。こうした熱意をもって後から来る人がいるのは水牛にとってとても心強いことです。他力本願もいいところですが、それなしではやっていけないのが水牛のありかたかもしれません。毎月原稿を書いて送ってくれる人たちに対してもおなじように感ずるところです。下窪俊哉さんの「『アフリカ』を続けて」のように、ほんとうはひとつひとつの原稿について紹介するべきではないのかと思ってはいるのですが、そこまでエネルギーが持続しません。編集者失格じゃないの?と自分にツッコミを入れることもあるのですが、原稿が届いたその日に公開するような状況なので、クッションなしで読んでもらうほうがいいと思ったりもするのです。
今月のニューフェイスは吉良幸子さん。わたしの著書『水牛のように』のブックデザインをしてくれたhoro booksのデザイナーです。平野甲賀さんの最後のアシスタントだったので、平野さんが亡くなったあと、未亡人になった平野公子さんとともに東京に引っ越し、それ以来、二人でいっしょに暮らしています。44歳の年齢差のルームメイトは快適そうに成り立っているようですが、具体的にどんなふうな暮らしなのか知りたいと思い、それなら書いてもらうのがてっとりばやい。想像していたとおり、おもしろいですね。
藤井貞和さんの新刊『〈うた〉の空間、詩の空間』(三弥井書店)
「歌のDNA」「詩の日本語」「言葉イメージ」の三章に、歌や詩に関する90近い短いテキストが並んでいます。どれにも短歌や俳句、詩などが引用されていて楽しく読めます。でも藤井さんですからね、どれも一筋縄ではいきません。
それでは、また来月に!(八巻美恵)