久しぶりに光のあふれる午後。道ゆく人たちはおもいおもいの衣服を着ています。分厚いコート、薄いコート、カーディガンやセーターから半袖のTシャツまで、どんなものを着ていても快適に過ごせるのはいまだけの気候なのかもしれません。
「水牛のように」を2023年4月1日号に更新しました。
今月はじめてご紹介するのは浅生ハルミンさんと戸田昌子さんです。
浅生ハルミンさんの名前を知ったのは、かわいいねこのパラパラ漫画を買ったとき、もうずいぶん前のことです。去年の暮れに、浅生さんが「本の雑誌」でこけしについての連載を始めたことを知りました。父がこけしを集めていて、死後にその大部分を手放しましたが、ほんの少し、自分が気に入った小さなのをいくつか取ってあり、いずれは誰かにあげようと思っていたのです。あげるべき人は浅生さんではあるまいか、というわけで、無事にもらってもらいました。こけしもわたしのところにいるよりしあわせです。夢の話を書くこともそのときにゆったり自然に決まり、今月からスタートです。夢のなかの世田谷はすてきなところですね、ちょっとこわいけれど。
戸田昌子さんがきのう3月31日の午後「くだらない話をエッセイにしてみたい」とツイートしているのを見て、「読みたい」と反応したところ、「書きたい」とすぐに返信があったのでした。それなら水牛に、という自然な流れになりました。ひと月あとの5月から書いてもらうのが穏当だろうと思いましたが、間に合えば、4月1日に載せますよと言ってみたら、夜中にちゃんと原稿が届いていたのでした。戸田さんとはまだこのやりとりだけの関係しかありませんが、これから毎月楽しめそうです。ふたりで思わず自然な急流に乗っちゃったね、という感じ。
福島亮さんがパリから帰国したので、ベルヴィル日記は最終回です。先月お知らせした「思想」3月号の特集「雑誌・文化・運動――第三世界からの挑戦」を主題とする共同討議が4月15日に行われ、福島さんも水牛について発言されるようです。ぜひご参加ください。詳細はこちらのツイートから。
藤井貞和さんの「良心」というタイトルは、本文と同じように横線で消されている指定でしたが、いま使っている水牛の形式ではそれを反映出来ません。残念です。言おうとしても消される「良心」をまずはタイトルで伝えたかったと思います。
それでは、来月もまた!(八巻美恵)